真面目に頑張っているのに・・・吃音の症状の表れ方には波がある

吃音の症状の表れ方には波があります。吃音が出始めた頃と慢性化した段階でも異なりますし、学校や会社では症状が出るが家に帰るとすっかりどもらなくなる、といった具合です。
どのように症状の表れ方に波があるのか、押さえておきましょう。

吃音初期と慢性期の“波”の違い

吃音の波

吃音が出始めた初めの頃は、症状の出方に大きな波があります。いつも同じようにどもる・言葉が出にくくなるのではなく、しばらく症状が出たかと思うと今度はしばらくどもらなくなる・・・となるのです。

どもらない時期が一定期間あるため、自分や子どもが吃音だということに気付かず見逃してしまうということがあるわけです。

一方、発吃(吃音を発生するようになったこと)してしばらく経つと吃音症状も慢性化してきて、この波がなくなります。いつも一定レベルで吃音症状が出るようになります。

とはいえ、慢性化しても状況や条件によってどもったり、全く言葉に詰まらなくなったりということが見られます。

・学校の授業で朗読する
・人前で何かを発表する
・電話に出る

といった特定の状況では必ず吃音症状が出る人でも、自宅でまったく同じ言葉を話そうとすると、スラスラと言葉が出てくるというわけです。

これが、吃音で悩む人を一層苦しめる吃音の特徴ともいえる部分です。

吃音が出ないときがあるから、ふざけていると思われてしまう辛さ

朗読どもり

『学校で上手に朗読できなかったから家で頑張って声に出そう』
『明日の発表に備えて、100回は練習しよう』
『受話器を取った第一声はこうやって発音するぞ』

こんな涙ぐましい努力も、家ではうまくいくことが多いんですね。よし、これだ大丈夫だと思っても―

吃音を抱える人は、家でどんなにまじめに練習しても、そしてうまく言葉が出てきたとしても、学校や会社に行くとまた同じ状況で同じようにどもってしまう。元通りの自分にガックリきます。

非吃音者は『練習をすればうまく読めるようになれる』と思いこんでいるので、「もっとちゃんとやれよ」「家で頑張って練習して来いよ」という目で見られてしまうんですね。

でも、練習はしているんです。それどころか、人一倍頑張っています。もともと話すのが上手い人なんて、ロクに練習もせずにスラスラとやっています。吃音の人は、そういう辛い経験を数え切れないほどしています。

どもってしまうのは頑張っていないからではありません。まじめでないからでもありません。

必死に頑張っているのにうまく話せずに恥ずかしい思いをする、そういう経験を積むほど他者とのコミュニケーションを取ることが辛くなり避けたくなってしまいます。本来やりたいことがあってもできなくなります。それが吃音の大きな問題点です。

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